【劇団プロフィール】

1995年、大阪芸術大学在学中に結成。大技から小技まで大胆かつ繊細な演技力に定評がある役者陣が、作演出の横山が作るどんよりとした笑いを徹底的にケレン化し、珍妙なバランスを保ったエンタテインメント現代劇を創造している。主に大阪、東京で活動。

【略年表(主な参加演劇祭、賞歴等)】

1995年 売込隊ビーム結成
1996年 売込隊ビーム第一回公演(PIONEER)
1999年 大阪演劇祭キャンパスカップ99参加・大賞受賞(トバスアタマ)
2000年 扇町アクトトライアル2000参加(ムラスズメ)
2002年 rise-1演劇祭参加(お気楽ショートストーリー集BEST)
2005年 パルテノン多摩小劇場フェスティバル参加(大家族スペシャル)
2008年 中之島演劇祭2008参加(最前線にて待機)
     精華演劇祭vol.10参加(刻むルール)

PAST STAGE

作家横山が過去の作品を自身の記憶だけを頼りに、自嘲気味に解説します。

2009年5月 「星が降り、夜が来て」@ABCホール(大阪)、「劇」小劇場(東京)
昔ながらの学生街が舞台。古い長屋風アパートの前にある小さな公園に、それはそれは小さな隕石が降ってきた。日常に刺激を求める都希美(三谷)は、その隕石を拾ったことで自分自身の生活が劇的に変化すると信じた。この街の様子を俯瞰し、彼女を中心とした登場人物の状況の変化や、何も変わらない残酷な現実を淡々と描いた異色の定点観測ドラマ。3年(+1年)という期間を追っていく物語が、長い長い一日を過ごしているような時間の流れの錯覚を生み、過ぎ去る日常の速さをアピールした。

2008年11月 若手公演「隙だらけが好きなだけ」@インディペンデントシアター1st(大阪)
 「森のゴムドン」と同時上演ということで、若手だけで横山の新作書き下ろしを上演。大学のテニスサークルが合宿と称し毎年行うキャンプでの出来事。水を汲みにいったメンバーが森の中で迷ってしまった。そこに、江戸時代から来たらしき人物が現れたり、樹海に自殺しに来た女性が現れたり、未来人が現れたりと、道に迷った以上に面倒な人たちに翻弄され…。窮地に陥ったコミュニティの脆弱さや本音の露呈によるイザコザを笑い飛ばす。

2008年11月 「森のゴムドンSPECIAL EDITION」@インディペンデントシアター 1st(大阪)小劇場「楽園」(東京)
 三谷恭子がもっとも嫌がり、もっとも輝く役、ゴムドン。上演するたびにそんなジレンマを抱えていた妖精ゴムドンシリーズがこれで最終章となった。破綻のない作品を提供し続ける売込隊ビームにおいて、こんなにパンクで、キュートで、不条理で、ナンセンスで、バイオレンスで、ギャグ満載な作品は後にも先にもないと思う。横山とあと数人が笑えたら良し!という作り方で、他にも名物キャラ(アネモネ、サシミ、カブレラ、オバンドーなど)多数。個人的には復活がないとは言い切れない。

2008年7月 精華演劇祭vol.10参加「刻むルール」@精華小劇場(大阪)
 小説家を目指すニートの妻帯者山坂琢巳(山田)は、近所に住む自宅の庭に穴を掘る謎の男(デス電所丸山英彦)をモチーフに小説を書こうと取材をしていた。ある日、穴を掘る男の自宅の前で宅配トラックがダンボールを轢いた。ダンボールには、男子中学生が入っていた。死んだ中学生の右腕が消えたり、無関係のはずの人間が中学生を殺したと自供したり、穴を掘る男が疑われたり、宅配ドライバーは小さな港町で漁師に匿われたりと物語は錯綜する。渾身のエンタテインメント純文学演劇。

2008年5月 中之島演劇祭2008参加「最前線にて待機」@ABCホール(大阪)
 初演で菊地(休団中)が務めたマモル役を誰が演じるのかが大きな問題であった。「お気に召すまま」の公演中、次回公演予告で短いシーン披露した際、マモル役は西田和輝にあてた。これが思ったよりハマって、「西田で行くか?」というムードが流れたのだけど、読み合わせのときに横山がどうしてもしっくり来なかったので、急遽カメラマン役をお願いするつもりであったゲストの尾方さん(MONO)と役をチェンジすることにした。尾方さん、カメラ持って写真に写ってるのに。ヒドイ話である。

2008年2月 メイシアタープロデュースSHOW劇場Vol.2「お気に召すまま」@メイシアター小ホール(大阪)
 シェイクスピアの「お気に召すまま」を売込隊ビームテイストで、ということではじめて原作モノに取り組んだ。シェイクスピアはとにかくケレンの人であるというひとつの解釈を見出して、一気に役者祭りに仕上げた。原作中、理解が及ばないシーンや時代背景あってこそのシーンを解体、現代的に再構築し、筋を大きく変えずして、理に叶ったストーリーに仕上げた。意図的に男女の性を超えた配役を行ったことも功を奏す。ロザリンドとゲニミードを一つに人格にした大胆な手入れは評価が分かれた。

2007年9月 「コクジンのブラウス」@劇場MOMO(東京)HEP HALL(大阪)
 とある公立高校の裏庭が舞台。15年前にこの裏庭で、同じ塾に通っていた同級生の命を奪った数人からなるグループは、その罪悪感を共有しつつも平然と毎日を過ごしてきた。今日は年に一度の同窓会の日。グループ内のリーダーで「酋長」(山田)と呼ばれた男は、今日15年ぶりに里子(梅本)に連れて来られた芙美(小山)と再会する。15年前のシーンをフラッシュバックさせながら、事件の真相が露になる本格ミステリ演劇。

2007年3月・4月 「マーチ!」@インディペンデントシアター1st(大阪)新宿シアターモリエール(東京)
 新作長編「マーチ!」をはじめ、お気楽SS、剛と紗枝、ゴムドン、19公演、歌謡ショーなど様々な演目で大阪の一ヶ月ロングランを達成した。本番終わりで明後日初日を迎える公演のゲネをやり、終電のある人から帰っていくという日もあり、みんな瀕死状態だった。「マーチ!」は中央アジアのとある国に新婚旅行で訪れた夫婦が、軍隊を撮影してしまったことから夫だけ捕らえられてしまうところから始まる。二部構成で牢獄の中と外でのやりとりを30分ずつ見せ、悲劇的なラストシーンを迎える。

2006年11月 (宮都謹次一人芝居)「二代目扇町風太郎/技と粋の記録」@インディペンデンスシアター2nd
 扇風機職人の二代目扇町風太郎(宮都)は、風のあたりすぎによる窒息死や回転する羽によって指を切断する事故が絶えない扇風機の修理職人。危険な扇風機に対して風当たりがきつくなってきた(扇風機だけに!)昨今、職人として名を継いだ以上、辞めるわけにはいかなかった。しかし、ある日、自分が目を離したすきに、作業場に入ってきた幼い息子が扇風機の風にさらされ、倒れてしまった…。架空のくだらない設定を真剣に演じることで、不条理かつ妙ちくりんな世界と物語になった。満足。

2006年10月「ワナナワとワナワナ」@應典院
 「ワナナワ」が映画化されて「ワナワナ」(hide監督)となり、ビームからは太田清伸と杉森大祐が出演。森本レオさんや桐谷健太さんや腹筋善之介さんも出演していて豪華だった。しかし、撮影中にエグゼクティブプロデューサーだったホリエモンの逮捕などもあり、ほとんど話題にならなかった。大阪で上映がなかったので、演劇版と抱き合わせで上映&上演。ワナナワは登場人物の設定が高校生なので、これが最後だと思う。

2006年9月・11月 「山」@HEP HALL(大阪)下北沢駅前劇場(東京)
 インターネット配信のみで演劇活動を行なうために槙谷岳の山中にある小屋を借りて、配信の準備をすすめる劇団ヒポコンデリー。ある雨の日、旧登山コースを歩いてきた登山グループが、病人がいるため休ませてほしいと訪ねてくる。彼らの目的はある幻の高山植物を採取することだったのだが…。2つの集団の大きなウソと小さなウソが人間関係と恋愛模様を複雑にし、最悪の事態を引き起こす。MONOの尾方さんと三谷のカップル役が完璧だった。

2006年3月・4月 「よせばいいのに」@インディペンデントシアター1st(大阪)下北沢駅前劇場(東京)
 この物語に登場するキャラクター全員を愛していて、どうしても再演したかった。みんな弱いところがあって、現実から逃避していることに気づかないようにしてて、でも虚勢を張ったり自分の正当性を主張したり、そのむず痒さがたまらなくていい。2003年バージョンから前半を大きく改訂し、コメディとしての印象を強めたつもり。豪華日替わりゲスト総勢12名の役者さんは、日替わりではムリのあるセリフ量をこなしてくれて感謝しかない。

2005年10月・11月 「タマゴよ、みな鳥になれると思うな」@HEP HALL(大阪)新宿シアターモリエール(東京)
 空港ロビーのような場所で、旅の出発を待つ7人の旅人。一向に出発しないことに苛立ち、ツアーコンダクターのモロホシカズミ(Sunday赤星マサノリ)を責めるも返答はのらりくらり。一方、とある美術大学のキャンパスでは、新米講師(太田)と学生(杉森)が他愛の無い会話をしている。時が経つにつれ、旅人が一人、また一人と姿を消していく。全員で行きたいのに、どうして?とモロホシに詰め寄るが、飛行機には一人しか搭乗できないと宣告され…。不妊治療の夫婦、生命の奇跡に挑んだ問題作。

2005年2月 「大家族スペシャル」@インディペンデントシアター2nd(大阪)下北沢駅前劇場(東京)
 「カモシレナイ!」でお馴染みのピン芸人ワタル(太田)は、ようやくブレークし富と名声を手に入れて仕事も忙しくなってきたところだったが、最近どうも物忘れがひどい。どうやら、遺伝性の健忘症のようだ。邪魔者たちの障害を振り切って残りの人生を歩む彼の最期を見届ける。ミチコ(三谷)とマスミ(小山)のワタルファンの女の子コンビが無敵。物語中「ミチコロンドン」として漫才をして大絶賛され、気を良くしてか、以後、事あるごとにミチコロンドンの漫才を披露している。

2005年1月 JUKE BEAM第2回公演「お気楽ショートストーリー集19」@インディペンデントシアター1st
 なかなか本公演に出られない19たちの単独公演第2回。今回は短編集。人気のラブコメを杉森と当時たらこ劇場の原知佐さんが演じた「オヤスミ」、当時の劇団員本上功太作演出「告白のタイミング」、横山新作書き下ろし、久々宮都演出の「ネクストバッターズサークルにネクストバッターがいない」の3作品を上演。新調したばかりの劇場のパンチカーペットを、第三話の「ネクストバッター〜」の衣装で履いた野球のスパイクでいっぱい傷をつけてしまってごめんなさい。

2004年11月 「セブン・ルームス」@ジャングルインディペンデントシアター(大阪)シアターD東京)
 真ん中に中庭のあるドーナツ型のホテルの7階にて、7つの部屋で起きる出来事を一部屋ずつ順番に見ていくという試み。701号室には殺し屋(宮都)、702はその部屋を放送室としているDJ(山田)、703はラジオに出演予定のロックスター(太田)、704は売れないアイドル(梅本)、705は映画脚本を依頼された文豪(菊地)、706は文豪を見張る編集者(三谷)、707は何でも屋(小山)がいる。同時間軸で物語は進み、7部屋が奇跡的にリンクする。

2004年7月 「13のバチルス」@HEP HALL(大阪)下北沢駅前劇場(東京)
 初の東京公演だったので気負っていた。これも「よせばいいのに」同様、後半に向けてのカタルシスで湧かせた。新国際文化都市「涼町」では、都市開発プロジェクトの一環として防災模範都市を目標に掲げ、町の一角に地下シェルターを設置した。今日はその見学会だったのだが、地上で恐ろしいスピードで疫病が蔓延したという情報が入り、見学者たちはシェルターから出ることができなくなってしまった…。という物語が、3重構造のメタ演劇として現実世界に菌が繁殖し始める!というお話。

2004年3月 JUKE BEAM旗揚げ公演「住居」@ジャングルインディペンデントシアター
 2003年入団の草野、西田、杉森ら19メンバーを中心に、横山の新作長編を上演。ひとつの物件に別の不動産業者が連れてきたお客さんがバッティング。どちらがこの部屋に住むに相応しいかなどディスカッションしているうちに、恋の話が盛り上がったり、空き部屋となっていたこの部屋に住み着いていた人間が出てきたり、ドタバタシチュエーションコメディの体を成した。この作品の取材のために不動産仲介業を訪れ、ムチャな注文をつけて探してもらった物件に横山は現在も住んでいる。

2003年11月 「最前線にて待機」@伊丹アイホール
 タントリズム解散後、行き先を決めかねていた菊地秀之を山田かつろうが誘って入団、早速主役級の扱い。舞台は、とある戦場の最前線に送り込まれた同国の兵士たちが、バリケードを挟んで警戒しあうところから始まる。前半は最前線を挟んだ二つの場面が同時進行し、関わっていないはずの2つの場所が、セリフの妙によってリンクしていくというトリックもの。中盤以降はバリケードが崩れ、個人ではどうしようもない大きな力に飲み込まれていく。大掛かりな円形回転舞台が度肝を抜いた。

2003年7月 「よせばいいのに」@HEP HALL
 はじめてのHEP HALLだったので気負っていた。叔父さんが残した田舎の喫茶店の跡継ぎを巡って、街から帰ってきた奈津子(梅本)を中心に、甥っ子姪っ子大集合で相続権・経営権を争う会話劇。それぞれの思惑や将来や希望をぶつけ合い、最終的には共同経営の形を取ることになるのだが…。かつてないほどのカタルシスを盛り込んだラストシーンは絶賛。ラストシーンに出てくるカメラマン役の石原正一さんがカメラマンなのに小道具のカメラを忘れて本番をやり過ごしたのは伝説となっている。

2003年5月 山田かつろう一人売込隊ビーム「出馬せず!」@芸術創造館
 とある市議会選の選挙事務所で働く事務員を山田が演じた。選挙活動の諸々の準備を任されるも、ことごとく失敗を重ね、ある勘違いから選挙資金をゴミと間違えて捨ててしまい…。脚本レベルから山田と横山が共同で作品に取り組み、シチュエーションコメディとしてはうまくまとまった。作品中、山田が一輪車に挑戦することになり、稽古中に乗れるようにすると宣言していたが、本番に間に合わず、まったく乗れないのに台本は変えずに挑んだ。やはり全然ダメだった。

2003年2月 マンスリーシアター「MM」@芸術創造館
 売込隊ビームの第3回公演を改訂して再演した。元々のメガネの臨床試験という設定に、その模様をビデオ撮影しているというアイデアを加え、登場人物が体感する既視感をビデオによる巻き戻し再生であると言う意味付けをした。それがどうしたと言われればそれまでだが、何でもありのSF作品だった6年前に比べて、筋の通ったSFになったと思っている。「サッカー」から1ヶ月しかなく、準備期間が短過ぎて体力の限界を感じた。

2003年1月 売込隊ビームとヨーロッパ企画第1回公演「サッカー」@よしもとrise−1シアター
 商店街の新春恒例サッカー大会の結果をめぐり、ミニコミ誌の編集部と、スーパーマーケットの総務部が激突。売込隊ビームとヨーロッパ企画がそれぞれの持ち味を消し合うことなく絶妙にコラボした。当時Lマガジンさんの記事に、サッカーに例えれば、ビームがブラジルサッカー、ヨーロッパは欧州サッカーであると上手いこと書いていただく。ヨーロッパ企画の上田くんと横山がそれぞれの家を何度となく行き来して脚本を練り上げる作業は苦労と興奮が同居する不思議な感覚であった。

2002年11月 よしもとrise演劇祭参加「お気楽ショートストーリー集BEST」@よしもとrise−1シアター
 「contact!」「森のゴムドン」「ブロッケンマン」「ワナナワ」の4作品を上演。「ブロッケンマン」では剛役を山田が演じた。大賞賞金300万円という大金がちらつき、あまり集中できなかった気がする。審査員がストップウォッチを持ち、面白くないと感じている時間を計るという変わった評価方法であった。そのため全体の上演時間を短くした方が有利だということに本番中に気がつき、4話目の「ワナナワ」が日に日にカットされて短くなっていくという情けない行動が取られた。

2002年9月 「出動せず!」@扇町ミュージアムスクエア
 崩落したトンネル内で閉じ込められた面々。そのうちの何人かは、ここにお宝目当てで訪れたという。トンネルが掘られた山の頂上付近には寺があり、明治の廃仏毀釈の際、奉られていた弘法大師像を村人たちが山の洞穴に隠した。仏像がお宝なのか?地元の人間の話しによれば、洞穴にはヒメツキノヒカリという謎の発光植物が繁茂するという。この植物がお宝か?いずれにせよ、まずは脱出しなければ。追い込まれた人間を面白可笑しく描いた。

2002年3月 CAMPUS CUPリターンズ「お気楽ショートストーリー集3」@芸術創造館
 應典院の天井も高かったが、芸術創造館も相当高くて支店長(宮都)の登場は怖かっただろう「Loop Circle Hulahoop」、カカトをあげると爆発するスニーカーを履かされこの部屋から脱出できるか「スニーカーズ」、剛と紗枝のラブコメシリーズ第二弾「オヤスミ」、アブラハム方式の条件積み上げコメディ「NPO新しいゲームを開発する協会」の4作品を上演。キャンパスカップで大賞、優秀賞を取った劇団が参加。今も活動している劇団が多数あるのは素晴らしいことだと思う。

2001年9月 「舐めてかじる桃」@伊丹アイホール
 その温泉街はかつて遊郭の街であった。「桃が食べたいんですけど」が遊女を誘う合い言葉であったという。今はその面影は無く細々と経営を営んでいる旅館がちらほら点在するさびれた温泉街となった。この温泉街の歴史を取材にきた実直(山田)と、興味本位でやってきた武岡(菊地)が町の伝統行事「つけ馬祭り」の日を境に、あれよあれよと踏み込んではいけない事実に直面、この街で暮らす人間の過去と心の奥底にある毒に触れてしまう。

2001年4月 「お気楽ショートストーリー集2」@扇町ミュージアムスクエア
 4人の体重を計180キロにする「キューバ」(初演はプラネットホールの企画で)、ゴルフボールを舞台上に投げ込む観客参加の「contact!」、剛(太田)と紗枝(小山)のラブコメ第一弾「ブロッケンマン」、非難した山小屋にカマを持った男が入ってくるホラー作品「お前たちが殺した男」の4作品を上演。「お前たちが〜」のラストシーンで山田の首がカマで切られるため山田の頭部の模型作成をベトナムからの笑い声の宮崎くんにお願いした。

2000年11月 OMSアクトトライアル2000「ムラスズメ」@扇町ミュージアムスクエア
 当時関西の若手劇団の登竜門と言われたアクトトライアルに選んでもらった。横山が第一回公演以来演出に復帰。瀬戸内海のとある孤島にて、ボーイスカウトのキャンプの下見に来た竹森(山田)が島民に捕らえられる。その島民は昔ある伝染病(ハンセン病を思わせる)で隔離された一族の末裔で、連綿とその血を受け継いできた。しかし近親による交配は限界を迎え、リーダーの泉太郎(宮都)は内地からの闖入者の血で一族の未来を繋ごうとする…

2000年1月 シアトリカル應典院舞台芸術祭「お気楽ショートストーリー集」@應典院
 ダイエーの支店長がヘリから降りてくる(本当に天井から縄梯子で降りた!)「Loop Circle Hulahoop」、ゴムドンシリーズの原点「地質学者は知っている」(初演は大学3回生の冬)、通天閣以来の「ワナナワ」を上演。初の短編集が好評で、その後シリーズ化する。なお、千秋楽本番中、舞台上につくった穴に横山がイタズラのつもりで入り込み、山田を本気で怒らせた。彼が芝居で使っていたスコップで頭を割られる勢いであった。

1999年10月 第7回公演「鬼斬り」@一心寺シアター
 一人暮らしの女性宅に忍び込んだ異常者(太田)が玄関で日本刀を構えて、ただただ女性(高野)の帰りを待つという末恐ろしい作品。トバスアタマのイメージを踏襲して、部屋の状況を客観的に語る男女4人の傍観者を置き、ペットの猫(小山)と共に男の心理を分析したり物語の行く末などを見守ったりする設定。ラストシーンは、異常者が猫に気を取られているうちに女性が帰宅、悲鳴をあげて逃げられ、それを無様に追いかけていくというナンセンスな結末。リメイクしたい作品ナンバー2くらい。

1999年4月 第6回公演「チワキニク踊ル」@一心寺シアター
 第2回公演からずっと横山が作、宮都が演出という形をとってきたが、この作品は作演のコミュニケーション不足で消化不良になった。その大きな理由に、就職をした横山の脚本が遅れ稽古にあまり参加できず、意図と違う方向に芝居が進んでしまったが修正する時間が作れなかったことにある。すみません。内容は、美雪(三谷)が高校の卒業式で読む答辞原稿を教師の思惑とは違う真意を込めて作成し、ゲリラ的に読み上げるという青春物語であった。

1999年2月 CAMPUS CUP 99「トバスアタマ」@扇町ミュージアムスクエア
 「第1回大阪演劇祭 CAMPUS CUP 99」という、昔あったオレンジ演劇祭を復刻させた企画に大阪芸大代表として呼んでもらって『トバスアタマ』を再演する。大学を卒業するタイミングの公演で、今後の身の振り方を左右する演劇祭になるだろうということで、大賞を取れなければ解散するつもりで挑んだ。見事、大賞を獲得し、個人賞も総なめにする。このときの参加団体で、同志社大にはヨーロッパ企画のメンバー、近大にはデス電所のメンバーなどがいたのだそうな。

1998年11月 通天閣ビーム「ワナナワ」@通天閣
 通天閣の3階フロアで芸大美術学科の人たちがグループ展をしたという話を聞き、芝居はできないのか?と企画したら簡単に実現した。とある高校の盗賊部メンバーたちがお宝を頂戴するために通天閣に忍び込んだが、赤外線探知機に引っかかり、一歩も動けなくなるところから始まる脱出劇。赤外線に見立てて赤い縄を張り巡らし、上演時間45分の間、一歩も動かずに会話だけで物語が進むという斬新な作品だった。他にフリマや当時いち早く取り組んだ劇団HPを閲覧できるイベントスペースを作った。

1998年9月 第5回公演「トバスアタマ」@伊丹アイホール
 昔、遊ばれた男の子どもを身篭った女(梅本)が、男への復讐のために子を生み、ポチ(太田)と名づけ、虐待するというダークな設定。にも関わらず、物語の中では笑いの要素が幅を利かし、意外なほど大盛況であった。「あなたは身体が弱いから」という理由で学校に行かせてもらえないポチの感情を擬人化させるというビーム作品では珍しいつくりも受けた。これを機に作風がシリアスとコメディを同居させるという形に落ち着き始める。ちなみに、小山の全身タイツの歴史はここからスタートする。

1998年4月 第4回公演「ヴィークの人」@一心寺シアター
 何かの本でヴァイキングの「死」の捉えかたは「永遠の理想郷ヴァルハラへの旅立ちである」という一説を読んで作った三途の川を渡る作品。ヴァルハラを目指し、乗組員たちは船長であるオーディン(宮都)の指示でひたすら舟を漕ぎ進める。どこに行くのか不安に感じてきたころ、ルーン(山田)という地縛霊から全員死んでいるということを告げられる。死へ向かう人間の「怒り」「抵抗」「諦め」「許容」を描いた。チラシにレゴを用いて人気に。

1997年9月 第3回公演「MM」@一心寺シアター
 未来の話はやめようと決意して挑んだ会話劇。医療メガネの臨床試験ということで、集められた面々が開発途中のメガネをかけさせられた状態で一つの部屋に集まる。あれこれ会話していると、何度も同じ会話に戻ったり、誰かの夢の中に入り込んでしまったりと、異世界の深みにどんどんはまっていく。どうやら、このメガネが原因らしい。違和感と既視感と疲労感から、皆メガネを外してこの部屋からの出て行こうとするが、また同じ場所に戻ってしまうという後味の悪い結末に味を占めた。

1997年3月 第2回公演「アクセル」@森ノ宮プラネットホール
 まだまだまっしぐらにSF作品に取り組んでいた横山の第2作は未来のロボット社会を描いた。主人公のアクセル(宮都)とCC(三谷)はルパンとフジコ、冴羽涼と香、コブラとヒロインをイメージして作ったキャラ。グッカー(山田)という旧型ロボットが暴走を起こして、アクセルがそれを止めるような話だったと思うが、詳細は忘れた。最後はアクセルも実はロボットなのだというグッタリするオチ。梅本が熱いものに触る芝居で苦労。本番中に宮都の衣装のお尻部分が裂けて台無しになったりした。

1996年10月 旗揚げ公演「PIONEER」@森ノ宮プラネットホール
 藤子F不二雄への憧れ、筒井康隆への傾倒、惑星ピスタチオの影響が色濃く現れたSF作品。月の裏側で核開発を行なう悪の集団を、博士(宮都)と日本人のマキムラ(山田)、中国人のテン(梅本)、ロシア人のコサック(小崎泰嗣)と火星からやってきたマーズ(三谷)というひどい役名の救世主たちが地球を守るというとんでもない作品。これを1年近く稽古したという事実もすごい。この作品を観返すという行為はどんな痛い罰よりも避けたい。