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vol.011 北海道で初日の出が見たい!其の二「出発編2」(1999.1)

1999年2月10日掲載

「とにかく俺は行きたくないんとん」

これです。

「それならばここにいる全員を説得してみろ」

山田は語ります。大晦日の特番が見たいだの紅白が見たいだの…。その言葉には昨日からの進展が何一つ見えません。悲しみの小山からテレホンコール。それでも山田の気持ちは変わりません。宮都はこういった「埒があかない場合」のために、ある対策を練っていました。それは、コイントスです。表か裏で行くか行かないか決めようではないか、というのがその胸の内です。

「わかった。あとは天に任せよう」

そう宮都が言うと、ギャンブラー山田はおもしろそうだとOKを出しました。そういう賭けにあっさり乗ってくるところが代表らしいとからしくないとか…。どちらにしても、もう時間的に決めなくてはなりません。話し合いの結果、コイントスのルールは以下のように決定しました。(コインは100円玉)

・ もし100円の数字側(裏)が出たらお望み通りこのまま大阪で年末年始を迎えてくれ。参加費(キャンセル料)もいらない。そして、もし花(表)が出たら「北海道まで来い」と言いたいが、そこまで拒む人間を無理に連れて行っても逆におもしろくない。そこで、百歩譲って東京までとりあえず一緒に来る、東京で降ろすからキャンセル料金5000円を置いて、あとは自力で帰れ。山田にとって決して酷な選択ではありません。山田はとりあえず元旦を大阪で迎えることが出来るのですから。「わかったとん」

「選ばせてやる。どっちを取る?」

「裏だとん」

「数字側やな」

山田は数字を取りました。我々は花。あとは運を天に任せるだけです。宮都の指がコインを弾きました。山田のワンルームに舞う100円玉。我々にとって、その滞空時間は往年のマイケル・ジョーダンを彷彿させました(NBAに興味がある人はここにはいませんでしたが)。M・ジョーダンこと、100円玉は「エア」を我々に見せつけたあと、静かに床に落ちました。

「花」

「あああああ!!!@%P#*&%4んとん!!!」

山田が絶叫しました。それは、春の訪れを告げる合図でした。花が咲きました。山田の部屋に花が咲きました。環状線桃谷駅。三谷は日も沈みかけたその駅前で我々を出迎えています。

「かっちゃん来たんだね」

山田かつろうは三谷の言葉に笑顔で応えます。とにもかくにもやっと出発です。30日午後6時半。名神高速のゲートをくぐり我々は、まずは東京小山家を目指しました。